IMG_0252
先日、うちで日本語を勉強しているドイツ人の生徒さんに、バナナ味のお菓子を出してあげました。
袋を開けた途端にほわーんと、「バナナ」の香りがするお菓子。
味見をしたら、やっぱりバナナの味がします。

生徒さんに出してあげて、冗談半分で、
「なんの味かわかりますか?」
と聞いたら、彼は、
「食べたことある・・・でもわかりません」
と言いました。
私は内心驚きながら、
「ほら・・・南国原産の果物で・・・長くて・・・黄色くて・・・」
とヒントを出すのですが、
「うーん。わかりません」
と繰り返す彼。
「バナナだよー」
と私が答えを言うと、
「あ、そうですか、バナナですか!」
と生徒さん、びっくりしてました。

たわいもない授業開始のおしゃべりですが、これでドイツと日本の違いがすごーくよくわかります。
日本のお菓子は「バナナ味」をはじめ、「いちご味」や「メロン味」「ぶどう味」などいろんな味があります。
本当の果物を使って味をつけているお菓子もありますが、いろんな化学物質を組合わせて、
人工の「○○味」をつけているお菓子も少なくありません。
私たちは、それらのお菓子を食べて「あ、○○味だ!」とすぐわかりますが、
実際の果物の味と一緒かと言えば、ほとんどそうではないですね。
私たち日本人は、本当の果物の味と、人工の「○○味」を識別した上で、「○○味」を認識できているのです。

しかし、ドイツのお菓子は、ほとんど材料そのものの味のものしかありません。
チョコレートで「ラムレーズン味」とあれば、本当にレーズンが入っているのです。
鮮やかな色でお馴染みのグミ、ハリボーでさえ、植物由来の味や色で作られています。
(ほかの国で作られているハリボーはそうではないそうです)
食べ物に加えられる添加物の数も、天然由来のものを含めてもドイツで許可されているのは300程度。
日本はその5倍、1500種類ほどの添加物が許可されているそうです。

どういうことかというと、ドイツの人は、素材そのもの味のお菓子を食べているので、
人工の「○○味」というものに馴染みがないんですね。
だから、この日の生徒さんのように、「バナナ味」がわからなかったわけです。

生徒さんと話していると、小さなことでも日本とドイツの違いがわかったりしてとっても興味深いです。