さて、膀胱炎で病院に行くことになった私。
彼は健康優良児なので、ドイツに10年以上住んでいるけれど病院にお世話になったことがほとんどありません。
よって、ドイツでこのような時にどんな病院に行ったらいいかからまず調べてくれました。
この日は病院があまり空いていない日(もしくは時間帯?)だったようで、いろいろ調べた結果、大きな病院に行くことに。
病院に行くと、地下にあるカウンターに行くように指示されました。
そこには女性が一人いて、彼が症状を説明すると待合室で待つように言われ、私たちが隣の待合室に行くと、彼女はどこかへ電話を始めました。
うすぐらい待合室。ちょっと不安。
待っている時間に、私たちは海外旅行保険の会社に電話をすることにしました。
保険会社に事情を説明すると、「治療代を一時支払うか、それとも無料にしてもらえるか交渉します」とのこと。
保険には医療費がカバーされる、と書いてありましたが、これは、病院が「後日保険会社が医療費を支払う」ことにOKを出せばの話。
もし病院側がNOならば、こちらが一時的に支払って後ほど保険会社から払い戻しになるというシステムのようです。
保険会社との電話が終わってすぐ、隣のカウンターのお姉さんの電話が鳴る。
話の内容からすると、どうやら先ほど話していた保険会社からの電話らしい。
彼が「病院は一時支払いを要求してるみたいだな。たぶん、この手のことを扱ったことがないからやりたくないんだと思う」と電話の内容を訳してくれました。
お姉さんの電話が終わってから、今度は彼の電話が鳴り、相手はやはり保険会社。
「病院側は一時支払いをしてほしいそうです」
「はい、聞いてました」
交渉って大変なんだな、と思いました。
さて、しばらく待ったのち、ようやく名前が呼ばれました。
彼は支払いのために別の人に呼ばれ、私は看護婦さんみたいな人にコップを渡されて、トイレに行きました。
コップを看護婦さんに渡すと、「ここで待ってて」と診察室へ案内され、そこで待つこと十数分。
がらーんとした診察室。
待っているうちにドアに貼られたポスターの角のテープがはがれ、びろーんと垂れ下がり。
「お医者さんが英語通じなかったらどうしよう・・・」
と一人ぼっちの私はどきどき。
と、そこへさっそうと現れたお医者さんは、若くて理知的な女医さんでした。
なんとか英語で意思疎通ができたのですが、
「本当は、かかりつけのお医者さんからじゃないと薬はあげられないのよね」
と言っているよう。
「でも、明日帰るんだもんね。薬がないと困るわよね」
と言うと、かつかつかつと別室へ。
またかつかつかつと診察室へ戻ってくると、手の平からころんと錠剤のシートをテーブルに転がしました。
「これ、3日分。とりあえず帰るまでは持つから。今回は特別よ。帰ったらかかりつけの病院に行ってね」
「ありがとう」
と私が言うと、
「どういたしまして。じゃ」
と言ってまたさっそうと診察室を後にしました。
その後ほどなく彼が診察室に現れ、無事家路につくことができました。
ドイツでの初めての病院体験はこんな感じでした。
手渡しで錠剤をもらうっていうのが衝撃的でした。
でもそのおかげで何事もなく日本に帰れたから、感謝。
後日談ですが、
帰国後私は、医療費請求のための病院からの請求書をうっかり捨ててしまいました( ;∀;)
帰国したら電話してくださいね、と保険会社から言われていたのに電話しなかったので、帰国後数日たって、電話がありました。
請求書がないと説明すると、「それでは払い戻しができません」と。
こちらの過失なので、どうしようもありません( ;∀;)
交渉がうまくいってたら支払いしなくて済んだのに・・・と思いますが、どうしようもない。
こういうミスをする人はほとんどいないと思いますが、私のように「捨て魔」の人はくれぐれもご注意を。
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