ペルーの奥地で祖父母と暮らしていた熊のパディントン。
平和に暮らしていた彼らだったが、ある日大地震が来て祖父がいなくなってしまう。
パディントンの祖母は彼に大好物のマーマレードを渡し、「ロンドンにいる冒険家の家を訪ねなさい」と彼を大海原へ送り出す…

小さな頃に大好きで読んだパディントンの話を実写で見られるようになると思わなかった。
ほのぼのしていた原作とは違い、映画らしくアクションや大どんでん返しも交えながら進んでいく今作も、大いに楽しむことができた。

身寄りのないパディントンが見知らぬ土地で邪険にされながらも、その素直な心で血のつながらない、けれどとても暖かい「家族」を作っていく様子。最初はパディントンを邪魔者扱いしながらもどんどん巻き込まれていく人間の家族のおかしさと優しさ。

人々が楽しめるように賑やかに作ったこの映画ではあるが、原作のじんわりとした味わい深さはそこここに残っていて、懐かしい気持ちになった。

久しぶりに、パディントンの本を読み返そうと思った。