今通っている語学学校、隣にイタリア人のおじさんが座っています。

ちょっとお腹は出てるけど筋肉質な体をぴったりしたポロシャツにつつみ、デニムを履いたおしゃれさんです。

今のお仕事はピザ職人。
近いうちにより稼ぎのいい飛行機の機体清掃の仕事に鞍替えします。

イタリアに妻と次男を残し、先にドイツでピザ職人として働いていた長男のところに来た彼は、元々小さなデニム工場を経営していました。
海外にも輸出するような会社でしたが、取引先の中国が急に取引を辞め、経営が立ちいかなくなって工場をたたんだそうです。

今は家族離ればなれだけど、「おれの稼ぎとカミさんの稼ぎでイタリアにでかい家を建てたんだ」と誇らしげに故郷の家を見せてくれました。

国を渡って働きに行くというのは彼にとって特に特別なことではなく、「より稼ぎのいい仕事をして家族を養いたい」という気負いのない姿勢が印象的です。

そんな彼は日本が大好き。
日本のように歴史と文化がある国、そして特に日本は「一つのアイディアを改善してより良いものにできる」から尊敬していると言ってくれ、嬉しかったです。
彼はまた、中国のマーシャルアーツ、何でも作ってしまうところも尊敬しています。
私の友達の出身であるインドは、「人がたくさんいて、かつハングリー精神がある」と分析。
そして彼自身の国については「アートの国だな」と言っていました。
私が、「イタリアは車でも芸術のように完成させることができるよね。職人の国だよね」と言ったら、嬉しそうでした。

2人で話していて、
「思えば、それぞれの国にいいところがあって、そのいいところに集中すればいいんだよね」
という結論に達しました。

アイディアを出すのが得意な国、
アイディアをより良いものにするのが得意な国、
モノをたくさん作るのが得意な国、
マンパワーが売りの国。
それぞれに良いところを出し合えば、世界はよくなる。

アイディアを出したり、改善したり、モノを作ったり、一つの国が苦手な分野も全部自分たちでやろうとするから、

盗作したり、ニセモノを作ったり、無理な勤務体系になったり、搾取が起きたりする。

絵空事かもしれないけど、それぞれの得意分野が正当に評価されるようになったら、世界はもっと生きやすくなる気がします。

世界規模で考えたら絵空事だけど、チームスポーツや会社など小さなグループだとそういう風に団体が運営されるからこそ結果が出る。
サッカーも、皆がキーパーじゃ、ゲームにならない。
いろんなポジションの人がそれぞれの役割のスキルを磨いて勝てるチームになる。

家族もそう。
掃除が苦手な人が掃除を担当して後で誰かが掃除し直す、二度手間になるなんてことはあんまりしない。
掃除は掃除が得意な人がやればいいし、料理は料理が得意な人がやれば、周りの人は美味しいものが食べられる。

皆が自分の得意なことをやれば、世界は回る。

そういうことなんだなーと思いました。

おじさんの焼いたケーキ。
プロ並み。
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