ドイツ、天然暮らし。

2016年5月から結婚を機にドイツ暮らしを始めました。 自然の中でのんびり、家族と暮らす毎日を書いています。

カテゴリ: レビュー

かえるに変えられた王子様が、 
お姫様のキスで元に戻る・・・ 

誰でも知ってるおとぎ話を下敷きにしたファンタジー。 
まあ、そんなものだろうなと思っていましたが、 
いい意味で裏切られます。



舞台はアメリカ南部、ニューオリンズ。 
仕立て屋の母、労働者階級の父を持つティアナは、 
将来父と一緒にレストランを作るのが夢。 
そんな彼女が大人になった後の話。 


劇中に入る歌の歌詞が心にじーんときます。 
子供用の映画なんだと思うけど、 
これは私たち世代にもぐっとくると思う。 


夢がある。 
それに向かって頑張ってる。 
そう思ってるけど、本当に、正しい方向にいってるのかな? 
自分って、本当は何が欲しいの? 
自分って、本当はどんな人間なの?? 


表面は平気そうでも、実は心で迷っている。 
そんな気持ち、だれでも持ったことがあるはず。 

この映画を見て答えが見つかるわけではないけど・・・ 
でも、なにか、心がぽわっと明るくなるお話でした。

ディズニーのプリンセス映画の中でも
私にとっては1、2位を争う物語です。

好きなこと。 
初恋。 
自分の未来・・・ 

おぼろげながらも見えてくる、14歳というとき。 

これからしたいこと、いっぱいあるのに。 
その前に自分の命が途絶えてしまったら・・・ 




ある悲劇によって命を奪われた14歳のスージー。 
この世とあの世の狭間で彼女が思うこと、伝えたいこと。 
そして、残されたひとびとの思い・・・ 

狭間の世界の美しさと不思議さに息をのむ。 
残された家族たちが
少女の導きによって事件の真相に迫るドキドキ。 

14歳の少女の瑞々しい感情の描写・・・ 

クライマックス。 
スージーの選択にやられたーという感じです。 
でも、分かる気がする。 
私もこっちを選ぶ。 
だって、人生一度きりだもの。 
それが女の子、っていう感じです。 

普通のサスペンスじゃありません。 
普通のラブストーリーでもありません。 
ファンタジーなのかな? 
でも、すごいリアルです。 

心に残る映画でした。

ある暗い過去を背負い、小さなどらやき店で雇われ店長をしている主人公。
ある日、そこのアルバイト募集の張り紙を見て、ひとりの老婦人がアルバイトに志願してくる。
何度断っても通ってくる老婦人が置いていったあんこを一口食べた主人公はその味に衝撃を受け、
彼女にどらやきのあん作りを任せるようになる・・・

樹木希林さんが演じる老婦人の純粋さ、
彼女に出会い、頑なだった心が外の世界に向かって柔らかく開かれて行く周りの人々の姿に心を打たれる映画でした。

あることがきっかけで青春を奪われた老婦人は、ある意味ずっと夢を追う「少女」だったのだと思います。
そして、遠い昔に奪われた青春、遠い昔に奪われた夢を叶えるための場所を探しているときに、
どらやき店の店長に出会う。

映画の登場人物は、ほとんど皆、それぞれが大変な背景を背負っていて、自分が一番不幸せだと思っている感じ。
そこから抜け出そうとしても抜け出せず、人生を諦めています。

でも老婦人に出会ったことで、自分自身を見つめ直し、
自分が置かれた場所で、自分ができるところからやり直していこうと決意します。

大人になって、いろんな人を知り、いろんな世界を見せてもらったり、話を聞かせてもらったりして、
世の中にはいろんな常識があり、いろんな人がいて、
それぞれが自分は大変なんだ、と思いながら生きていることを少し、知りました。
でも、自分が自分の人生を大変だと思うのと同じくらい、
ほかの人もその人自身の人生を大変だと思いながら生きています。

しかし、自分だけが不幸だと思っている人はしばしば、他の人が嘆いていることに対して、かえってどん感で無知になることもあります。
劇中でも、自分だけの人生に躍起になり、また人の痛みにどん感になってしまっているがために、周りを傷つけてしまうシーンがいくつかあります。
そしてそれは、物語のテーマともなっているある問題が、かつて人びとの無知によって捻じ曲げられた道のりを繰り返すことにつながっていくのです。

人に見られたくない、恥と思うようなものを隠す、そんなやり方が、今の日本にもちらちら見えていますが、この映画の老婦人もまた、そんな日本にやり方によって人生を奪われた当事者なのでした。
でも彼女は、そこで自分だけが不幸だと思わず、彼女が持ち得たかすかな希望を大切にしながら、出会った人びとを大切にしながら、生きることを選択しました。

彼女の姿は、確かに世の中には、本当に不幸せな人生に終わってしまう人もいるけれど、
少なくとも、自分で腹をくくって、決意して踏み出せば、人生を良く変えていける人もたくさんいるということを見せてくれていると感じました。

この映画を見て、自分が本当にやりたいことはなにか、それに向かって踏み出したい、という気持ちになりました。


ペルーの奥地で祖父母と暮らしていた熊のパディントン。
平和に暮らしていた彼らだったが、ある日大地震が来て祖父がいなくなってしまう。
パディントンの祖母は彼に大好物のマーマレードを渡し、「ロンドンにいる冒険家の家を訪ねなさい」と彼を大海原へ送り出す…

小さな頃に大好きで読んだパディントンの話を実写で見られるようになると思わなかった。
ほのぼのしていた原作とは違い、映画らしくアクションや大どんでん返しも交えながら進んでいく今作も、大いに楽しむことができた。

身寄りのないパディントンが見知らぬ土地で邪険にされながらも、その素直な心で血のつながらない、けれどとても暖かい「家族」を作っていく様子。最初はパディントンを邪魔者扱いしながらもどんどん巻き込まれていく人間の家族のおかしさと優しさ。

人々が楽しめるように賑やかに作ったこの映画ではあるが、原作のじんわりとした味わい深さはそこここに残っていて、懐かしい気持ちになった。

久しぶりに、パディントンの本を読み返そうと思った。


火星での有人探査中に襲われた巨大嵐により、たった1人で無人の星に取り残されてしまったマーク。
食べ物も水も、助けに来るアテさえない絶望的な状況の中で彼は、科学の力を使って生き残ろうと決心する。。。

アメリカ映画は、特に宇宙系の映画は「愛する人のためにヒーローが死ぬ」と言う、ある種決まりのパターンがある感じがして、あらすじを聞いただけで実際に映画を見ることをしなかったのだが、この映画は観て良かったと言える。
決して希望を捨てない主人公が、絶望的な状況でもユーモアを忘れず一つ一つの課題をクリアし、それを仲間が助けに行き、誰も死なずにハッピーエンドで物語が終わる。
誰も死ななくても、派手な事はしなくても(まぁ、SFだから絵面は派手ですけど)、人は感動するのだ。
珍しいことに、主人公につきものの恋人も、家族もこの映画には出てこない。
代わりに、彼の仲間達の愛する人々が彼らを案じる姿がたくさん出てくる。
とかくヒーローがもてはやされ、その他の人々(つまりほとんどの人。私を含め)は「背景」として扱われる映画や実際の世界の中でも、この映画は時代を生きるすべての人々がそれぞれに歴史を持ち、こだわりを持ち、人生を持ってこの瞬間を生きているのだということを教えてくれているような気がした。

ただ時代が変わったなと思うのは、マークへの食料を積んだロケットが爆発してしまった時協力を申し出たのが中国だったということだ。
そして、マークの期間を帰還を願う世界中の人々のシーンでも、アメリカとロンドン、そして中国が写し出されたことである。

私は自分が日本人であるということに奢った事はないのだが、こんなときに出てくるのはまあ、日本ではないのかと少し引っかかった。

久々に人々に希望と勇気を与える映画を見られて嬉しかったのだが、アメリカから見ての日本、アメリカから見ての中国と言うものの存在の変化が少し見え隠れする、ちょっと気になるところもあった。


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