ドイツ、天然暮らし。

2016年5月から結婚を機にドイツ暮らしを始めました。 自然の中でのんびり、家族と暮らす毎日を書いています。

カテゴリ:ドイツ生活あれこれ > 教育

ドイツの移民向け語学コース、Integurationskurs(統合コース)の最後の一ヶ月。
この一ヶ月はドイツの法律や歴史、システムなどを学ぶクラスです。
ドイツ語だと、Orientierungskursオリエンティエルングズコァスと言います。

このクラスは最終日にクラスで学んだ内容を問われるテストがあります。
テストの内容はあらかじめ決まっています。
が、どの問題が問われるかはわかりません。

というのも、テストにでる問題は33問なのですが、
クラスで学ぶ問題数は310問なのです。
この310問のうちからランダムに33問が出され、
うち16問を正解すると無事合格なのだそうです。

310問のうち、300問はドイツ全般のことについての問題。
のこりの10問は受講者の住んでいる地域の問題です。

基本的にはこの問題を粛々と解いて答えを覚えればいいというクラスなのですが、
問題の背景などを学ぶために、教科書を購入します。

ほかのクラスはわからないのですが、教科書で背景を学び、それに相当する内容の問題を、
310問の問題の中から抜粋して解いていくのが今のクラスのスタイルです。

と、先生は何回も説明するのですが、クラスの大多数の人は
「問題だけやればいい」
「教科書は買いたくない」
「問題だけもらえれば、もう学校に来ない」
などとてんやわんや。
先生も毎回同じことを説明してすごく困ってます。

授業中も、そういうことを言う生徒さんに限って遅れて来て、
「自分のプリントがない」
「説明をもう一回してくれ」
と言うのは日常茶飯事だし、
先生の説明を遮って自分の言いたいことを言い、
それからおしゃべりが始まってまた先生の説明を聞かず、
「答えは結局なんなの?」とか、
「先生は説明してくれない」とか言い出す始末。
なにかわからないことがあるとすぐ自分たちの言葉で話し始め、教室は全く収集がつきません。

日本で小学校教師をしていた私。
これはまさに学級崩壊のクラスの光景です。

となりで「授業がぜんぜんわからない!」と言っているクラスメートに、
「あなたが自国の言葉で周りと喋ってた時に先生が、まさに今あなたが私に聞いてきたことを説明してたよ!」
と言ったりしても、全く意に介さず。

静かに授業を受けている反対どなりの生徒さんに、
「これが普通なの?」
と聞くと、
「そう」
と言います。

いやはや。

しかも残念なのは、こうやって大騒ぎする人たちが、難民の人たちだということ。
だれよりもドイツに住むことを欲しており、そのためにだれよりも学ぶ必要のある人たち、
かつ、ドイツから援助を受け、学費を免除してもらってクラスを受講している人たちだということ。

自分たちのために用意された大切なチャンスなのに、どうしてこんな風に行動できるのだろう?
と悲しく思います。

こういう風に行動している様子をドイツ人の先生方や、行政の人たちはつぶさに見ているわけです。
そして、だんだんと「難民の人は扱いづらい」→「あまり関わらないほうがいい」という雰囲気が出来上がってきているように思います。

現に、前のクラスのシリアの人たちなどは、
「アパートを見つけても、『シリア人だから』と言って断られる」
「行政でも、自分がシリア人とわかった途端に邪険にされる」
「仕事もなかなか見つからない」
と嘆いていました。

これはとっても残念な事態です。

難民の人の中にも本当に善良で、真面目なひともたくさんいます。
前のクラスでは、だれよりも早く教室に来て、一番前で熱心に学ぶおじいさんもいましたし、
自国では学校の先生をしていた青年が、クラスメートの誕生日にはその人の国の言葉で「おめでとう」と一生懸命バースデーカードを書いていました。
クラスメートも、1対1で話せば穏やかで優しい人も多いのです。

でも、「この国の人はこういう人」というふうに十把一絡げで見る風潮はドイツに限らずどこにでもあること。
しかも、いいところよりも悪いところが先に人々の中に広がるのもよくあることです。

日本人のドイツでの評判は悪くないので、いろいろなところで生きやすいですが、
それでも街で、知らない人からちょっと邪険にされることもよくあるくらいですから、
悪い評判がたってしまった国の人の生きづらさといったら相当なはずです。

それをどうにかしたいと思うなら、
「あの国の人間は○○だと思っていたが、こいつは違うな!」
といい意味で出会った相手を裏切っていくことの積み重ねしかないと思います。

もしかしたら、
自国では自分の意見を押し殺して生きてきたから、
自由に意見を言っても直接的に攻撃されない教室の中では、
自分の言いたいことを言ってみたいのかもしれません。

でも、

「ほかの人もこうしているし、自国の人と一緒に居れば楽だから」とか、

「どうせ、頑張っても評判はよくならないから」

というような気持ちで流されていったら、いつまでたっても状況はよくならないし、
もっともっと、自分たちが生きにくい状況を作っていってしまいます。

旦那さんがいつか、
「僕たちがここで快適に暮らせるのは、これまでの日本人の大多数がきちんとやってきてくれたから。
 だから僕たちも、品行方正に暮らしていかなければならない」
と言っていました。

本当にそのとおりだなと思います。

今日はちょっと長くて、ぐちっぽい話になりました。

次回からはまた、のほほんとした日記にします。


ご縁があり、デュッセルドルフ近郊の学校で授業をすることになりました。

この学校には、コーディネーターと言われる先生がいて、今回私がこちらで授業をするにあたり、いろいろと調整してくれたのがこの方です。

このコーディネーターの先生は、普段は親と教師の間にたち、よりよい学校運営のために動いていらっしゃるようです。
例えばクラスで何か問題があったときに、先生と親御さんは直接会って話をするのではなく、まずこのコーディネーターの先生にコンタクトを取ります。
コーディネーターの先生は問題について聞き、それぞれの立場の人と話し合います。
必要があれば、先生と親御さんを同じ場に呼び出し、コーディネーターの先生が間に立って話し合いをしたりすることもあるそうです。

私が日本で働いていた公立の学校ではこういったコーディネーターの先生はいません。
このコーディネーターの仕事にすごく興味を持ったので彼女にこの仕事がどうして存在しているのかを聞いてみました。
すると彼女は一言。

「先生には教えるということに集中してほしいからよ。」

この一言は私が公立学校の教師をしていた時にすごく悩んでいた部分だったので、思わず膝をポンと打ちそうになりました。

私立の学校がどうかわかりませんが、私の働いていた公立の学校では、先生方は教えると言う本来の仕事以外にかなり多くの業務をこなさなければなりません。
学校の先生をしていた頃、よく、 周りの人に、
「学校の先生は夏休みとか冬休みがあっていいよね。その間は仕事もないんでしょう?」
と言われましたが、それは誤解で、
長期休暇の時も学校に出て事務仕事をするのが当たり前でした。
私自身、授業以外にする業務が教材研究の時間を圧迫し、納得のいかない授業をしていることに罪悪感を感じることも多々ありました。
生徒以外の外部の人との関わりも先生方のストレスになっていることもあり、先生と言う仕事は本当に一筋縄ではいかないなと思っていました。

この学校ではなるべく先生にこどもとの関わりや専門の授業に集中してもらえるように配慮し、それが結果として親御さんの満足度の向上に繋がるような学校経営を可能にすると考えているようです。

一度コーディネーターの先生が学校の先生と話をしているところに遭遇しましたが、コーディネーターの先生はカウンセラーというか、温かく、かつ中立的な物腰で話を聞きつつ質問しており、学校の先生もコーディネーターの先生を信頼して心を打ち明けているようでした。

先生も、コーディネーターの先生という、利害関係のない人物と話すことでまず一息つくことができ、冷静に問題を捉えることができるのでしょう。
これは親御さんにとっても同じような効果があると考えます。

それぞれの立場の人が最大限のよいパフォーマンスをし、最大限期待できる利益を得るために、このようなシステムは学校にとって一つ、有効なアイデアかと思いました。

これはあくまでドイツの1学校の例なので、どこもそうとは限りませんが、とっても印象深かったので、ここに記しておきます。



さて。前回はドイツの移民政策について、
ドイツ滞在許可のある人なら申し込める、「Integrationskurs」について書きました。

今日は実際に私がこのコースの参加資格の申請をしに行った様子を書きます。

場所はデュッセルドルフの外国人局。
一緒に申請する友人たちと二階に行き、Bという表示のある待合室に行きます。
他の場所のように受付をする必要はなく、ひたすら役所の人が来るのを待ちます。
心配になって通りかかる役所の人らしき人に聞いても、
「人が来るから、ここで待て」と、同じ返事ばかり。
賞味30分ほど待ち、一つの部屋から出てきたお兄さんに呼ばれました。

ここに来た経緯について話すと、パスポートと滞在許可証を見せるように言われ、渡す。

お兄さん「普通は滞在許可証を申請するときに、この統合コースに参加するように言われるはずで、そのときに申し込めるようになっている。」
私たち「なぜか分かりませんが、旦那さんが滞在許可証を申請したときにはそんなことは言われなかったそうです」
お兄さん「そうですか。では紙を渡すので、
1.統合コースが終わったらドイツで働きたい
2.ドイツに永住する気がある
3.という訳で統合コースを受けたい
ということを英語でいいので書いてください」
と、白いコピー用紙を一人一枚渡されました。

再び待合室に返された私たち。
それぞれ言われたことを書いていると、お兄さんは私たちのパスポートと滞在許可証を持って別なところへ行きました。

「パスポートとか、返されるかな」
と書き終わった紙を持て余しながら待つこと20分。
今度は役所のお姉さんがやって来ました。

お姉さん「書き終わった?」
私たち「はい」

私たちが紙を渡すと、お姉さんは私たちのパスポートと滞在許可証を返し、
さらにファイルに入った何かの書類をくれました。
見ると、Integrationskursの文字。

私たち「え、これが申請許可された書類?」
お姉さん「そうよ。手続き終了です」

なんとあっけなく申請許可。

旦那さんや日本人の知り合いの話では
「私たちには統合コースに参加する資格はないと思うけど。。
ダメもとで行ってみたら?」
と言われていた統合コースの参加が、簡単にできてしまいました。
あまりにもスムーズで拍子抜けしました。

その後調べてみると、日本語ではこの移民政策は「統合コース」と訳されていることがわかりました。
インターネットでは、統合コースの背景や、日本の大学生などが実際にこのコースに参加して書いたレポートなどが日本語でアップされているので、よりたくさんの情報を読むことができます。
途中脱落者の問題などいろいろと課題はある政策のようですが、
私や友人のように本気でドイツ語を学び、ドイツで暮らしていく気のある外国人にとってはありがたい制度。

これを活用して、ドイツ暮らしをより充実したものにしていきます。

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イギリスのEU離脱が話題になっていますね。
離脱直後に離脱派のマニフェストの「嘘」がばれたりして、再投票か!?などと叫ばれているようです。

今回のイギリスのEU離脱、焦点の一つになっているのが、移民・難民問題です。
EU内での行き来が自由になったため、賃金の低い国から賃金の高いイギリスへの移民、
また、シリアなどからの難民が押し寄せ、イギリスの人々から労働力を奪っている・・・
というのが、離脱派の意見だったわけです。

おなじEU圏のドイツ。
こちらも移民や難民はいます。
何を隠そう、私も移民の一人です。
日本人である私は、、先人のおかげで滞在許可やビザなど、ドイツで暮らすための手続きがスムーズでした。
ほかの国だと、こういった手続きがうまくいかない場合もあります。

何とかして滞在が合法的になっても、

言葉がわからない。

ドイツについてわからない。

では、暮らしていけません。
ドイツの方でも、言葉が通じず、ドイツのルールを分からない人々がたくさんいると困ってしまいます。

そこでドイツが考えたのが、インテグレーションコース(Integrationskurs)という教育プログラムです。

簡単に言うと、

安価にドイツ語とドイツ文化について学んでもらい、
将来的にはドイツで働いて納税をしてもらうようにする、

という制度です。

どうせ黙っていてもたくさん外国の人が自国にくるなら、しっかり働けるような人材に育て、税収につなげようということだと思います。
外国人からしたら、安価に移住した国の言葉が学べる上に、その力を使って仕事をし、安定した暮らしができるようになるというわけです。


詳しく言うと、

・6ヶ月から7ヶ月、毎週5日、4時間の語学研修を提携学校で100時間あたり155ユーロで受ける。
・最後のコース後の試験に受かればさらに支払った額の半額が戻ってくる

という仕組みです。

この制度に参加するには、まず滞在許可証があることが第一。
それから配偶者や家族がドイツに合法的に住んでいる、あるいはドイツ国民であることなどのようです。

ここで、「ようです」としたのは、私の友人(インド人)が渡独後すぐにこれに申し込んだときに却下され、
二度目に申し込んだときに許可されたため。
彼女や私の旦那さん曰く
「お役所の人によって言うことが違うから、あるときはOK、あるときはダメ、ということがあるようだ」
だそう。

この制度について知ったとき、私は日本語でいろいろ調べたのですが知りたい情報がなかったため、
ちょっと苦労しました。

けれどダメもとでお役所に申請に行ったら、なんとコースに申し込むことができました。
なので、次回、この顛末をお知らせしたいと思います。

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