ドイツ、天然暮らし。

2016年5月から結婚を機にドイツ暮らしを始めました。 自然の中でのんびり、家族と暮らす毎日を書いています。

カテゴリ: みんなで考えたいこと

コロナの頃から
無性に
「自分で自分の食べるものを
 作らねば!」
と思って、
ささやかながら
野菜の切れ端を再生しています。

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ほとんどはしっかり育てて
しっかり食べてるのだけど、
時々この青梗菜みたいに
お花が咲くやつがあって
それは(本末転倒だけど)
かわいくてなかなか食べられません。

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と思いつつ育てていたら
旦那さんが鉢に植えてくれました。

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そしたら、ミツバチが来てくれました!

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ミツバチは花を巡って
植物が実をを結ぶのを助け、
私たち皆の命を繋いでくれる
大切な生き物。

そんなミツバチに気に入ってもらえて
すごく嬉しい。

私たちのお腹には今回の再生青梗菜は
入りませんが、
ミツバチのお腹に蜜が入り、
何かの命を育んで、
またいつか私たちみんなに循環されるでしょう。

今日は
ドイツ国際平和村のお祭りでした。
ドイツ国際平和村は、
紛争地域、貧困地域で傷つき、
病に苦しむ子供たちを
ドイツに連れてきて
専門的な治療を受けさせ、
元気になったら祖国に帰す
という活動をしている組織です。

今日は一般にも公開された
お祭りで、
いつもは子供のにぎやかな声が
響く敷地内が、
さまざまな屋台と人々で
にぎわっていました。

昔のテレビ番組
「ウルルン滞在記」で
この村の存在を知っていた私、
ドイツに越してきて
この村が近くにあること、
また旦那さんの大学の同級生が
ここで働いていることを知って

少し前から何度か訪れています。

ここには手作りのものを
売っているお店があって、
その売り上げはすべて、
平和村への寄付になります。

そこでテディベアを作って
売っているマリオンさんという
おばあちゃんと
仲良くなって、

ここに行くたびに
彼女のテディベアを
買っているのです。

今まで買った
テディベアは、
お友達の赤ちゃんや、
病気と闘っている
知人のお孫さんなど、
いろんな子供たちの下へ
喜んでもらわれて
行きました。

マリオンさんは
私たちが初めて行ったときには

「もうテディベアは作らないの
 目が悪くなってしまって」

と言っていたのに、
今回お祭りに行ったらまた、
新しいテディベアが増えていました。

「また新しいの作ったわよ
 かわいいでしょ!」

と誇らしげに
テディベアを見せてくれた
マリオンさん。

彼女の平和村への
思いを世界中の子供に
知ってもらいたくて、
私たちは今日も
テディベアを買いました。

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後ろにあるのは
やはり平和村で買ったフクロウのクッション♡

他にも、

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こないだ私が森で摘んだのと同じ、
ブロムベアレンのジャム♡

あと手編みの毛糸の靴下も買いましたー♡

平和村を思う人々の、
思いやりの品ばかりです。

この日のお夕飯は、
ポロネギとチキンのオーブン焼き。
準備まで15分、
焼きに30分、
すぐできますが、
本当においしいです♡
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先週はずっとドイツ国際平和村に関することを書き続けていたのですが、
その間、ちょくちょくといろんなことがありました。


先々週の土曜日は、日本人コミュニティの企画で、
「移動する子供たち」という懇談会に行ってきました。


親の海外転勤や、国際結婚などで、2カ国語以上の言語背景を持つ子供たちを
「移動する子供たち(実際は親の都合で『移動させられる』子供たち、なんだそうですが」と名づけ、
研究を続けられている早稲田大学の教授の方のお話を聞く懇談会です。


私たち夫婦には子供はまだいませんが、もし将来子供が生まれたら、
ドイツに住む日本人家庭で私たちの子供は育つことになります。
多言語、多文化の中で育っていく子供たちについて興味があったので、
今回参加しました。

参加されているのは、自身が国際結婚の末生まれたハーフの方であったり、
私と同じように日本語教師をされている方であったり、
甥っ子や姪っ子、子供が国際結婚や海外移住によって多言語・多文化生活をしている方であったり、
いろいろでした。

懇談会では、台湾で生まれ、日本で育ち、今は日本語と台湾語、中国語の三ヶ国語を使って詩やエッセイを書かれている女性の事例なども出て、とても興味深かったです。

この中で私が特に興味を惹かれたのは、教育や、周りの大人の子供への接し方でした。

多言語環境で育つ子供は、自然と一方の言語が優位になったり、あるいは両方中途半端になったりします。
参加されている方の意見で、「甥っ子が背景にある言語すべてを中途半端に習得していて、これからが心配だ」というのもありました。
どうしても、大人の尺度からすると、子供の発達に対して一定の基準を設けたくなり、
「普通」と違うところがあると、心配になってしまうようです。

でも、教授は、
「複数言語で育つ子供の経験や知識は一人一人違います。それぞれの発達に向き合うことが大切です」
とおっしゃっていました。
そして、子供の学びを効果的なものにしたいならば、
一人で教科書を読んでワークを解いて・・・という座学よりも、
「伝わった!聞いてくれる人がいる!」
という学び合いの場にしていくべきだとおっしゃっていました。
そして、学びを知識だけではなくて実際の経験に活かしていくためには、
子供たちにとって意味のある場面を設定し、内容を作り上げ、その相手を用意する、
というのが大切なんだ、ということを伺いました。

これって、語学教育で本当に大切なことだと思います。

いわゆる、英単語をまる覚えする、英語の会話集を読む、とかしても一向に英語が話せるようにならないのは、
それは知識だけを詰め込む座学だからです。
語学はあくまで道具。知識を試していい点数をとればいい、という教科ではないのです。

その道具も、集めるだけでは意味がない。
カナヅチやのこぎりを持っていても、家が作れないのと一緒です。
道具を使ってまずは小さなものを作り、経験を積んで、大きなものが作れるようになるのです。
語学も一緒で、まず知識を少し増やしたら、それを実際に使ってみる。
それをどんどん繰り返していくことでいろいろなことを表現できるようになっていくのです。

語学教育には、聞いてくれる相手が必要です。
教授のお話を聞いていると、
「子供だけに、『ああしなさい、こうしなさい』というのではなく、子供の話を聞いてあげること、
 子供たちが直面している世界に、大人も向き合うこと」
が大切なんだなぁという風にも感じました。

それから、アイデンティティの問題。
国際結婚をしたカップルが、それぞれに全くゆかりのない国に移住をしたら、
その子は一体何人なのか??
特に子供や親戚にそういった子がいる参加者の方は、
そこについて心配されている人が何人かいらっしゃいました。

私も日本で生まれ育ちましたけれど、
それでも、世界のいろんな人と話していて、
「日本人って一般的にどんな感じなの?」という話題になると、
話をしながら、
(これって私にぜんぜん当てはまらないなあ)
と思いながら「一般的な日本人」について話していることもよくあるのです。
そういうとき、私は「私は国籍は日本人だけれども、一体なんのつもりでこんな話をしてるんだろう?」
と思うのです。

旦那さんとも話をしたんですが、
結局アイデンティティって、誰かが設定したり、決めるのではなく、
自分で作り上げるしかないのだなと思います。

日本で生まれ育っても、ほかの国により愛着を持っている人もいるように、
どこで生まれたから、とか、何人の親がいるから、とかいうことで、
その子も「こういう人間になるべき」という風には一概に言えないのだ、ということです。

もちろん、ルールを守るとか、人に優しくするとか、そういう最低限のマナーはどこでも大切なものですけれど、
そういうこと以外は、その子の経験や特性を見守っていくことしか親にはできないのでは?と思うのです。

親が「○○人なんだから、○○語を話せるようになりなさい!」というのも、もちろん理解はできますが、
でも、果たしてそれに見合うような、その子の努力にきちんと向き合えるような親がいるのだろうか?
子供に何かを望むのなら、それと見合うような努力を、大人もできてこそなのでは、と思いました。

今はまだ子供がいない私たちですから、二人で話していることは理想論なのかもしれませんが・・・

教授は最後に、
「言語自体常に変化するプロセスなのだ」
とおっしゃっていました。
日本語自体も、世代によって使われる言葉や表現が変わっていくのです。
もっといえば、自分と、ほかの人も、同じ言葉を話していても、全く同じ理解でその言葉を使っているとは限らないわけです。
そう考えると、この懇談会に出てきた「移動する子供たち」は、それぞれが、それぞれの新しい言語を開発している、あるいは言語を習得しているプロセスの只中にいるのだ、ということもできます。
そうしたら、大人の立場から、「この子は正しい言葉を使っていない、心配だ」というようなことは、
逐一言ってもあまり意味のないことなのかもしれません。

なんだかとりとめのない話になってきましたが・・・

いずれにせよ、子供は育つように育つものなのかなぁ・・・という気がしました。

教授とは個人的にお話する機会は持てませんでしたが、とっても楽しそうな方なので、
もしチャンスがあれば、またお会いしたいなあと思っています。

今年で50年を迎えるドイツ国際平和村。
①でも書きましたが、
50年も平和村が続かなければいけないような世の中であることを、
私たちはよく考えなければなりません。
世界にはまだまだ戦争や貧困に苦しんでいる人がいます。
日本でも、「普通の」生活が突然送れなくなってしまった人がたくさんいます。
毎日の生活に埋没してしまう、そんな声無き声を聞く、そんな機会が必要だと思います。

たえこさんは、
「この平和村に見学にきた人には、
『この平和村のことを、子供たちのことを一人でもいいので伝えて欲しい』
とお願いしています」
と言っていました。

私はフェイスブックや知り合いの人などに
「平和村に行くよ!」と事前に伝えてありました。
やはり、「ウルルン滞在記」を見て、ずっと興味を持っていた人もいて、
「感想聞かせてね!」と言われたりもします。
でも、「平和村ってなんですか?」という人もいます。
もしかすると、一生、平和村の存在を知らないままの人もいるのかもしれないなと思います。

でも、ドイツの片隅で、ほかの国の子供たちを無償で受け入れ、無償で治療し、
また彼らのふるさとに返してあげる、そんなことをしている場所があるんだ、ということを、
一人でも多くの人に知ってもらいたいなと思います。

平和村の願いは、
いつか、平和村のいらない平和な世界が実現することです。
そのために、ドイツの子供達に泊りがけで平和について学んでもらう機会を提供したり、
一般の人向けに見学ツアーを催したりしています。
平和村の子供たちも、さまざまな国から来た子供達と暮らすことで、
肌の色が違っても、文化や信じるものが違っても、仲良くなることができる、というのを
体で学んでいきます。

そんな50年の取り組みが、少しずつ、世界を変えていっています。
例えば、アフガニスタンの中で敵対しているとされる、パシュトゥン人とワリ人。
時期はかぶっていないのですが、それぞれが平和村で治療した者同士だったのが、
偶然出会い、結婚したという事例があるそうです。

一つの文化の中で、一つの価値観しか知らずに育つと、
「○○は悪い、○○はいい」などというように、固定概念が定着してしまうことがあります。
けれど、平和村で多様な経験をすることで、そのイメージが変わり、
目の前の人を「○○人」「○○国」という風に考えず、
その人のあるがままで捉えられるようになっていくのかもしれません。

ドイツ国際平和村は、寄付で成り立っています。
今でこそ、立派な建物や宿舎で子供たちやスタッフさんは暮らしていますが、
もともとは、コンテナを寄せあつめただけの場所だったそうです。
衛生局が「これでは運営を許すことはできない」と言ったのを、
地元のライオンズクラブが多額の寄付をし、今の建物群を作る費用を作ってくれたんだそうです。

日本からも、たくさんの寄付が集まっているんだそうです。
私たちも、少しずつ、継続して寄付をしていこうと決めました。

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平和村には、一般公開日の日だけ開く、手作りのものを売るお店があります。
そこにいたマリオンさんという女性は、写真のテディベアや毛糸の小物を作っているんだそうです。
このお店の売上は、すべて平和村への寄付になるんだそうです。

今まで、知り合いに赤ちゃんが生まれたりすると、ドイツの名産品などを送っていましたが、
これからはこのテディベアをプレゼントするのもいいかもしれないね、
と旦那さんと話しました。

マリオンさんは、「このテディベアは、一生を通じて持ってもらえるように、と作っているの」と言っていました。
このテディベアには、世界が平和になりますようにという願いが込められています。

1週間くらい書き続けてきましたが、
ドイツ国際平和村についての日記は今日がいったん最後になります。
また、関わりを持つことがあったら、ちょくちょく書いていきます!


ドイツ国際平和村HP(日本語はただいま改装中)
https://friedensdorf.de/

ドイツ国際平和村フェイスブックページ(現在最新情報が見られるのはここ)
https://www.facebook.com/friedensdorf.jp

ドイツ平和村への寄付
(日本から)
三菱UFJ銀行 本店 普通口座
口座番号 0152887
口座名 ドイツ平和村 または Aktion Friedensdorf e.V

(ドイツから)
Stadtsparkasse Oberhausen
IBAN:DE59 3655 0000 0000 1024 00
BIC:WELADE1OBH

ドイツ国際平和村は、数々の国からの子供たちが集まって一緒に暮らす場所。
宗教や文化も違った子供たちがいます。

背景としては、キリスト教の牧師さんが始めた平和村ですが、
無宗教、無政党のモットーがあります。
同時に、子供たちの信じている宗教を尊重する、というモットーもあります。

子供たちの多くがイスラム教を信じています。
なので、豚肉はカフェテリアで出さない、
男女は別々に治療をする、別々に遊ぶ、などのルールがあります。

平和村ではクリスマスのお祝いはしません。
その代わりに、12月末に皆で集まってお祝いをします。
その時には、ドイツのクリスマスのようなパーティをするんだそうです。

平和村には、平和村とその敷地外の間に柵がありません。
柵はなくても、子供たちは逃げないんだそうです。
でも一時期、施設の工事の関係で仮の柵が建てられた時には、
子供達が平和村から逃げ出し、近くの高速道をあてもなく歩いているところを警察に保護される・・・
ということが多くあったそうです。

制限がなければ、自制する。
制限があると、抜け出したくなる。

不思議です。
なんだか日本にもあてはまるような・・・

無宗教、無政党の平和村。
けれど、その成り立ちはキリスト教の「隣人愛」に深いつながりがあります。
お医者さんや病院が無償で治療を提供できるのも、
そもそもこういった団体がドイツに数多くあるのも、その「隣人愛」があるからかもしれない、
とたえこさんは言っていました。
日本だと、新しい試みをするときにまずリスクを考えることが多いけれど、
ドイツでは、「困っている人がいる。とりあえずやってみよう」と動き出せる地盤があるそうです。

その「とりあえずやってみよう」で始まった平和村が、
試行錯誤をしながら、今はスタッフさんもたくさんいて、子供達もたくさん受け入れられる団体になっているのです。


ドイツ国際平和村HP(日本語はただいま改装中)
https://friedensdorf.de/

ドイツ国際平和村フェイスブックページ(現在最新情報が見られるのはここ)
https://www.facebook.com/friedensdorf.jp

ドイツ平和村への寄付
(日本から)
三菱UFJ銀行 本店 普通口座
口座番号 0152887
口座名 ドイツ平和村 または Aktion Friedensdorf e.V

(ドイツから)
Stadtsparkasse Oberhausen
IBAN:DE59 3655 0000 0000 1024 00
BIC:WELADE1OBH

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